臨済宗建長寺派の大本山の巨刹、建長寺に参拝してきました。建長寺は鎌倉五山の第一位。第一位って聞くだけでなんかすごそうですね。さらに大本山ですもん。すごくない訳はありません。
そんなすごい建長寺にお参りしてきました。
臨済宗は禅(ZEN)のお寺
禅っていう言葉を聞いたことがあるかと思います。スティーブジョブズも愛したというZENってやつですね。
禅宗で有名なのはだるまや座禅だと思います。今は禅宗でなくても他の宗派においても縁起物とされているだるまですが、禅宗の開祖達磨大師がモデルとなっています。座禅を組んで修行をしていた達磨大師があまりにも長いこと修行していたので、手足が腐ってなくなってしまい、あのだるまのような形になったと言われています。
この禅宗ですが、仏教の宗派の分類を見ていても禅宗をいう名前を見つけることはできません。仏教13宗派をみても禅宗なんてないんですよね。
全日本仏教会でも禅宗系という用語の使い方をしています。この禅宗系にあるとされる日本の仏教宗派は下のとおり。建長寺の宗派である臨済宗は禅宗系の宗派です。
禅宗の日本の宗派
- 曹洞宗
- 臨済宗
- 黄檗宗(おうばくしゅう)
寺院を参拝するときに、これぐらいは覚えておくとそれぞれの寺院の特色や違いが分かりやすいです。
鎌倉五山とは
建長寺参拝に入る前にもう一つだけ知識を整理しておきましょう。建長寺の説明をする際に必ず入るのが「鎌倉五山第一位の建長寺」という冠です。
禅宗では禅宗の保護と統制のため格式の高い寺院を特別に5つ、五山として定めます。日本には鎌倉と京都に五山がそれぞれ定められ、建長寺は鎌倉五山の一つ、そして一番格調が高い第一位として定められています。
- 建長寺
- 円覚寺
- 寿福寺
- 浄智寺
- 浄明寺
前置きはそれぐらいにして、では建長寺レポへ移りたいと思います!
建長寺の場所
建長寺は北鎌倉駅から約15分程度、鎌倉駅からも歩けてこちらからだと約20分で歩けます。僕は建長寺の前に鎌倉駅と建長寺の間にある鶴岡八幡宮に参拝していたので、鎌倉駅から歩きました。
近くには明月院や閻魔様で有名な円応寺があります。
建長寺の拝観時間は8時半~16時半。拝観料は大人500円です。拝観時間前に着いてしまって駐車場付近でぼーっとしていたら、15分くらい前に開けてくれました。感謝感謝。
御朱印は入り口で預けるタイプの寺院です。観光客が多いような地域ではよくあるシステムですね。しかし建長寺では一つ注意を。建長寺の奥の半蔵坊や塔頭と呼ばれる小院でも御朱印がいただけるんですが、預けた御朱印帳を入り口の授与所回収しないと次の御朱印がいただけないんですね。
建長寺で複数の御朱印をいただくためには?
- 御朱印帳を2つ持って行く
- 授与所か半増坊で御朱印帳を購入する。
- 授与所で御朱印を預け、御朱印帳を回収してから奥の半増坊へ向かう
- 授与所へ御朱印帳を預けず、半増坊などを回ってから最後に授与所で御朱印をいただく
上の4つの内のどれかの方法によるかと思います。僕は御朱印帳をちょうど2種類もっていたので、「1」の方法で参拝・御朱印拝受しました。
授与所で御朱印帳を預け、早速参拝開始。歩くとすぐにでっかい三門。
国の重要文化財にも指定されているこの三門。楼上には釈迦如来や十六羅漢像などが安置されています。楼上ってなかなか上がらせてもらえるところ少ないですよね。建長寺も楼上は非公開でした。残念。
三門と山門って何が違う?
何気なく三門って書いていましたが、山門とも言いますよね。さて何が違うんでしょうか。三門は正式には三解脱門といい、空・無相・無作(むさ)を表し、この三門をくぐることによってあらゆる執着から解き放たれることを意味します。禅宗寺院などでは三解脱門という意味で、山門ではなく三門と書く場合があります。山門はもっと簡単で仏教寺院の正門一般のことを指します。寺院は本来山に建てられて、山号をつけて読んだ名残もあり平地にあっても山門といいます。
三門、山門は共に寺院の正門を指しますが、山門が寺院の門一般のことを指すのに対し、一部の門は仏教の教えの象徴として三解脱門と呼ばれています。
それにしても立派な門ですなー。
国宝の梵鐘!
脇にひっそりとたたずんでいるこの梵鐘。こちらも国宝。由緒ある寺院に来ると国宝級のものがさりげなく潜んでいますね。2.7tもある梵鐘は建長7年に鋳造されたものです。
仏殿にはご本尊の地蔵菩薩
山門をくぐると正面に見えるのが仏殿。14、15世紀に起こった数度の火災により焼けてしまって、現在のものは正保
4年(1647年)に東京の増上寺から移築したものです。
こちらがご本尊の地蔵菩薩坐像。丈六仏なのかな?
この日は、ほかにもいくつかの鎌倉にある仏像を見たんだけど、目が実に人間っぽいというか、仏っぽくないというか。そんな印象を受けました。
仏殿の後ろには法堂(はっとう)
法堂は住職が仏に成り代わって須弥壇上で説法をするためのお堂。通常は仏像が祀られていることは少ないようですが、建長寺では千手観音菩薩像と釈迦苦行像が祀られています。
釈迦苦行像ってはじめて見ましたが、骨と皮だけでいかにも修行中!って感じですね。オリジナルの釈迦苦行像はパキスタンのラホール国立美術館に所蔵されていますが、この苦行像は愛知万博パキスタン館のシンボルとして作られたレプリカ。レプリカといってもパキスタンでは釈迦苦行像のいかなる複製も禁止します。また仏像のレプリカの国外持ち出しも禁じているので、この釈迦苦行像はレプリカといえどもかなり貴重なもの。
法堂でもう一つ目を引いたのが天井の雲龍図。京都建仁寺法堂の雲龍図も手掛けた小泉淳作さんの作です。大迫力!
伽藍配置は主要な建物が直線に並ぶ
伽藍配置は中国宋時代の禅宗寺院を模して、「総門」「三門」「仏殿」「法堂」「方丈」が一直線に並んでいました。14、15世紀に起こった数度の火災によりその多くが消失してしまって、現在はやや位置が変わっています。方丈(龍王殿)はかなり直線からずれちゃっていますね。
方丈では坐禅体験も
方丈では土日には一般を対象とした坐禅体験が行われています。僕が参拝した平日も坐禅をしていました。土日じゃなかったんですが、なんだったんだろう?
方丈の前に広がる庭園は、日本最古の禅庭園。wikipediaには夢窓疎石の作と書かれていましたが、建長寺の資料によると、蘭渓道隆の作。
ひととおり、建長寺の主要な建物や仏像を楽しんだ後、半増坊へ向かいます。
半増坊まではかなり歩くし、かなり登るよ!
半増坊は建長寺の鎮守・半増坊大権現が祀られています。かなり高い場所に位置するので鎌倉市内や相模湾、富士山も見える絶好のビュースポット。まぁ僕が行った日は曇りで富士山は見えませんでしたが...
道中ではアジサイが咲いていました。紫陽花で有名な長谷寺や明月院などと比べると僅かなものですが、人が少ないのでゆっくりと楽しめます。長谷寺もこの後に行ったんですが、嫌になって写真もほとんど撮ってないですからね(笑)
紫陽花はちょうど見ごろ。鎌倉の紫陽花って6月下旬頃が一番の見ごろなんでしょうか。
建長寺塔頭の回春院(かいしゅんいん)で御朱印拝受
建長寺塔頭のうちには、御朱印を拝受できる場所があるというのは調べていたんですが、どこで拝受できるか分かりません。まぁべつにいっか程度で歩いていたら「御朱印うけたまわります」の文字が。
これは是非行ってみようといことで幽谷山回春院へ向かいます。半増坊への道から少し横へ数分横へそれたところにあります。
一本道を歩いていくと、回春院の山門を発見。
境内は人気がありませんでしたが、とりあえず本堂に外からお参りします。ご本尊は文殊菩薩でした。
普段はインターホンを押して御朱印をいただくのはほとんどしていないんですが、「御朱印は鳴らしてね!!」と大きく書かれていたので、ピンポーンと鳴らして御朱印を拝受してきました。
幽谷山回春院の御朱印
お布施は300円。女性の方がさらさらと書いてくださいました。
書いていただいている最中は玄関で待っていたんですが、このお寺、大島渚さんのお墓があるんですね。見て行こうかとも思ったんですが、時間もなかったので割愛しました。
塔頭と何度もかいていあmすが、「とうとう」「たっとう」ではなく、「たっちゅう」と読みます。禅宗寺院で祖師や門徒高僧の死後その弟子が師の徳を慕い、大寺・名刹に寄り添って建てた塔や庵などの小院を指します。回春院は第21世の玉山徳旋(ぎょくさんとくせん)の塔所です。
道を戻って半増坊へ
分岐した道へと戻り再度半増坊への道へと戻ります。回春院の女性に聞いたところ10分くらいだけど、かなり登るよ~~~。とのこと。せっかくここまで来たので頑張って登ります。
半増坊に入ると鳥居が並んでいます。
こっからの階段が長い!!何と150段あるとのことでした。あれ250段だっけ。
階段の途中には天狗のうちわ?ようやく半増坊に到着すると、天狗や烏天狗がお出迎えしてくれます。
まずは本堂でお参りをして
御朱印をいただきます。
半増坊の御朱印
お布施は300円でした。この他、菩薩巡りの御朱印もいただけたようですが、ご本尊のみをいただいてきました。
御朱印入りの天狗のうちわも頒布していたようですが、この日は売り切れ。7月になれば入ってくるんじゃないかとのことでした。実物を見たかった!
建長寺・半増坊の御朱印帳
半増坊の御朱印帳は建長寺授与所でいただける御朱印帳と同じ。
天気が良ければ富士山も一望とのことでしたが、この日はあいにくの曇天。残念ながら藤さんは雲の中でした。
建長寺での目的を果たし、建長寺授与所で御朱印帳を回収しに戻ります。
建長寺の御朱印
建長寺の御朱印は、ご本尊の地蔵菩薩「南無地蔵尊」です。お布施は300円。
何もいわなければこの一枚のみですが、観音霊場28番、地蔵めぐり9番、10番、11番、相模弘法大師霊場第4番をいただくことができます。
塔頭も僕は回春院だけをいただきましたが、ほかの院でもいただくことができるようですね。建長寺はけんちん汁の発祥の地でもありますからね。ランチにけんちん汁を飲んでみるのも良いかもしれませんね。では!