2017年の大相撲夏場所は懸賞金が最多だったようですね。特に稀勢の里への取り組みには指定懸賞が608本と歴代最多だったようです。最近は大相撲が大人気でチケットも取りづらいとは聞きますが、若貴時代をしのぐ人気というのはちょっと意外ですね。
という私も先日大相撲をはじめて見に行ってきたんですが、その中で妻と話題になったのが懸賞金っていくら?という下世話な話。
気になる気になるということで調べてみました。
懸賞金一本の金額は?
日本相撲協会のホームページによると大相撲の懸賞金は1本62,000円(税込み)。1場所(15日)では単純に掛け算をして930,000円です。
どうでしょう?意外と安い!って思ってしまいました。
懸賞金の62,000円ですが、その全てを勝利力士が手にするわけではありません。一部は大相撲協会が手数料として持って行くんですね。その内訳はどうなっているんでしょう?
懸賞金の支払いの内訳は?
図にしてみました。
勝利力士の取り分が一番大きいんですが、それでも懸賞金のほぼ半分、30,000円しかありません。それぞれについてもう少し詳しく見ていきましょう。
大相撲協会
大相撲協会の事務経費として5,300円です。事務経費とは取り組み表への掲載費、会場内の懸賞提供アナウンス費及びその際の企業・団体名含め15字以内のキャッチコピー費です。
納税充当金
26,000円が納税充当金になります。この金額は獲得者本人(力士)名義の納税に充当するために預り金として天引きされます。
納税に充てるために一時的に日本相撲協会が預かるだけで、納税義務者である力士に勝利力士名義の通帳に後日振り込まれます。
力士は給与制で、サラリーマンのように毎月月給をもらって生活しています。雇い主が日本相撲協会ですね。懸賞金はテレビCMや番組出演料などと同じく「事業所得」として扱われるようです。そのため多くの力士は確定申告をしなければなりません。力士に人気に税理士さんとかもいそうですね。それだけで良い収入になりそうです。
力士
最後に力士の取り分が30,000円。土俵で行司さんから封筒を渡されていますね。その封筒の金額が1本30000円です。納税充当金が天引きされているので、税引き後の手取りの金額という意味合いになります。勝利力士は勝ち名乗りに際し懸賞1本あたり現金で30,000円を手にすることができます。
まとめ
この金額だったら個人でも懸賞金を出す人がいるんじゃない?って妻と話していたんですが、個人では懸賞金はかけられないみたいですね。認められているのは企業名や商品名での懸賞だそうです。坂上忍がバイキングの名前で懸賞金を名古屋場所に出すというニュースもありました。個人ではなく番組名ならOKなんでしょうか。
過去、タレントのはなわさん、そしてポールマッカートニーも懸賞金を出していますが、そのときは共にCDの告知として行われました。
なぜ企業は懸賞金をかけるのか
なぜ企業は大相撲に懸賞金をかけるんでしょうか。単なる応援でしょうか?もちろん力士を応援したいという気持ちから懸賞金をかける企業も多いでしょう。でもそれは一つの側面です。もう一つの大きな目的は広告。大相撲人気が急上昇して、関心が高まる現在、大相撲は広告媒体としてとても魅力的なんです。
大相撲の放送ってNHKじゃなかったっけ?
でも一つの疑問。大相撲のテレビ放送ってNHKですよね。NHKは企業広告などのCMをしません。大相撲放送時でも懸賞旗が土俵で掲げられ、企業名・商品名が読み上げられるときは決まって引きの映像になります。懸賞旗を放映しないのは無理としても、NHKとしても極力目立たないようにしているんですね。
それでもやはり広告媒体としては魅力的なんでしょうね。何しろ価格も明確に一律ですし、懸賞が増えたからといって懸賞をかける費用が高騰することもありません。ここら辺の透明な部分も魅力の一つなんじゃないでしょうか。
僕が行った日は高須クリニックの高須社長が懸賞金をたくさんだしており、ご自身も観覧しておりました。セレブな遊びですね~。