M-1グランプリ2018の審査員が発表されました。
人数は前年と同じく7人。
M-1 2018 審査員
- 松本人志
- オール巨人
- 上沼恵美子
- 中川家礼二
- サンドウィッチマン富沢たけし(新)
- 立川志らく(新)
- ナイツ塙宣之(新)
昨年審査員だったものの今年は審査員に選ばれなかったのは、渡辺正行、博多大吉、春風亭小朝の3名です。
半数弱が入れ替えとなった審査員、新任の3名は過去の統計がないため何ともいえないのですが、継続で審査員となっている4名は過去の審査結果という統計があります。
では、松本人志、オール巨人、上沼恵美子、中川家礼二の4名の過去の審査はどのようなものだったのでしょうか?
審査にどのような特徴があったのでしょうか?
過去の2年(2017エムワン、2016エムワン)に審査結果を数字のみで分析した記事を書いていましたので、2018M-1が始まる前にまとめてみたいと思います。
参考 M-1グランプリ2016。審査員ごとの採点結果データとその傾向についてのレポ。
参考 M-1グランプリ2017。審査員ごとの採点結果データとその傾向を数字のみで考察
M-1グランプリ2018を見る際の一つの視点として活用してもらえれば、変わった見方もできると思います。
松本人志の審査傾向
松本人志の採点はバラつきが大きい
松本人志さんはメリハリのついた採点をします。
つまり、悪いと思った漫才師には辛口の点数をつけ、良いと思った漫才師には高得点を付けます。
それは、採点の標準偏差になって現れます。
2017年のM-1では標準偏差が3.73と最も大きい採点をしました。
反対に春風亭小朝さん、博多大吉さんは標準偏差が1台と、メリハリのない、採点にバラつきがない結果でした。
松本人志の採点は人とやや異なる
松本人志さんは人と異なる採点をしがちです。
2017年M-1で9位となったカミナリですが、合計点数を大きく下げたのは松本人志さんの採点でした。
7人の審査員の平均は88.3点ですが、松本人志さんの採点は85点と3点以上下回るものでした。
また、ジャルジャルの採点は95点をつけています。
ジャルジャルは2017年は第6位で、平均点は90.9点です。6位のグループに松本さんは自身の最高点をつけています。
オール巨人の審査傾向
オール巨人の採点はバラつきがやや大きい
松本人志さんほどではありませんが、オール巨人さんもメリハリのある採点をします。
数字でいうと、点数の標準偏差が3.34です(松本人志さんは3.73)
オール巨人の採点は人と最も異なる
松本人志さんは人と採点が異なると上で書きましたが、2017M-1でもっとも人と異なる採点をしたのがオール巨人さんです。
平均偏差(測定値と平均値のズレの程度をあらわす指標)は、1.90と7名の審査員の中でもっとも高い数字でした。
具体的にみてみると、1位通過をしたとろサーモンに辛口評価をしたのはオール巨人さんだけでした。
他の審査員が92~93点をあげているのに反して、オール巨人さんは88点と辛口の評価を下しています。
逆に人と異なり高評価をつけたのが、かまいたちへの採点でした。
平均点が91.4点のかまいたちさんですが、オール巨人さんの採点は自身最高の95点でした。
上沼恵美子の審査傾向
上沼恵美子の採点はバラつきがやや大きい
2017年エムワンで、標準偏差が大きかったのは松本人志さん(3.73)、上沼恵美子さん(3.47)、オール巨人さん(3.34)の3名でした。
つまり、継続して審査員となった4名のうち、3名はメリハリのきいた採点をする審査員といえます。
審査員からはずれた春風亭小朝さんや博多大吉さんは標準偏差が小さい、つまりどの漫才師にも同じような点数をつけた審査員でした。
強弱の無い審査ともいえますね。
上沼恵美子の採点は変わっている
2016年、2017年と2年連続で人とずれた採点をしているのが上沼恵美子さんです。
2016年のエムワンでは、平均点が88.2点のカミナリに対して、なんと81点という低い採点をしています。
2017年では、平均偏差の大きさはオール巨人さんに次ぐ2番目となりましたが、マヂカルラブリー(最下位の10位)に対して、他の審査員より厳しい83点をつけています(平均86.7点)。
渡辺正行の審査傾向
2017年から審査員となった渡辺正行さんもなかなか面白い採点をします。
各審査員がつけた最低点は、渡辺正行さんをのぞきマヂカルラブリーでしたが、渡辺正行さんだけカミナリに最低点をつけています。
最高点はミキ(3位)とこれも他の審査員と異なります。
渡辺正行さんの審査は辛口!
渡辺正行さんの審査はやや辛口です。
採点の平均は90.0点となります。しかし、もっとも平均が高い博多大吉さんでも91.5点です。
特に審査員の採点の平均は、漫才師の順位をつける上では意味をなしません。
どの審査員もほぼ90点を基準として採点している傾向があるので90点以上なら高評価、90点未満ならやや低評価と考えて、審査結果を見ればよいでしょう。
2017年の採点の平均は90.7点、2016年の採点の平均は90.1点
2018年エムワンの審査はどうなる?
審査にメリハリのある、強弱をつけた採点をする審査員が4名残りました。
新しく審査員となったサンドウィッチマン富沢たけし、立川志らく、ナイツ塙宣之はどのような審査をするのでしょうか。
尚、2018年M-1の9名のファイナリストは次のとおり
名前 | 所属 |
和牛 | よしもとクリエイティブ・エージェンシー |
霜降り明星 | よしもとクリエイティブ・エージェンシー |
ゆにばーす | よしもとクリエイティブ・エージェンシー |
見取り図 | よしもとクリエイティブ・エージェンシー |
かまいたち | よしもとクリエイティブ・エージェンシー |
スーパーマラドーナ | よしもとクリエイティブ・エージェンシー |
ジャルジャル | よしもとクリエイティブ・エージェンシー |
トム・ブラウン | ケイダッシュステージ |
ギャロップ | よしもとクリエイティブ・エージェンシー |
今年もほぼよしもと所属の漫才師となりました(昨年はカミナリのみグレープカンパニー)。
今年は、各審査員の採点に注意して、特徴を考えながらM-1を見るのも楽しいかなと思います。
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