NIKONからフラグシップモデルのD5が発表されましたね。2016年3月に発売予定のようです。
発表されてカメラクラスタの方々が一番驚かれたのは高感度の強さでした。常用ISO感度で102400。最高で3280000相当のISOまで上げて写真が撮れると発表されました。3280000ってゼロが多すぎてピンとこないですけど、328万ですからね。僕の使っているD800も趣味で使うにはかなりの高級機なんですが、それでも最高ISO25600相当ですから、328万のすごさがどれほどか分かるかと思います。
ニコンD5のキャッチコピーは“未知なる光を、補足せよ。”です。ここまできたら手持ちで天の川撮れちゃうんじゃないの?ってことで調べてみました。
天の川が手持ちで撮れるのか
下手くそな作例で申し訳ないんですが、去年蓼科で撮った天の川です。このときのカメラの設定はこんな感じ
- 絞り:f2
- シャッター速度:20秒
- ISO感度:3200
- 焦点距離:20mm
シャッター速度とISO感度の関係
ISO感度を上げることができるということはその分シャッター速度を速くすることができます。よく”段”という単語が使われますが、シャッター速度を1段早くする(1/2にする)ためには、ISO感度を1段上げる(2倍にする)必要があります。
上の例でいうと、シャッター速度を10秒(20秒の1/2)にして同じような写真を撮るためにはISO感度を6400(3200の2倍)にする必要があります。
通常ISO感度を上げるとノイズがのってしまってざらざらな写真になってしまうんですが、高感度に強いということはISO感度を上げてもノイズの少ないきれいな写真を撮れるということです。
天の川を手持ちで撮るには
どの程度のシャッター速度なら手振れがしないかという基準に次の式があります。
1/焦点距離=シャッター速度
上の写真は焦点距離20mmで撮られているので、1/20秒であれば手振れしないシャッター速度ですよ。という目安です。望遠レンズを使うと手振れしやすいと言われるのも上の式を見れば明らかですね。
では一つの基準として1/20秒よりもうちょっと速い1/30秒を目安にしたいと思います。カメラ界隈の数字でいうと、20というのは中途半端な数字なのでまるめた数字である30を使っただけでたいした意味はありません。
天の川の写真のシャッタースピードは20秒でしたが、これもちょっと数字をまるめて30秒としたいと思います。
検証
では計算をしていきましょう。
計算はシャッター速度30秒を1/30秒で撮るには、どれだけISO感度をあげなくてはいけないかという計算になります。下に表にしました。
シャッター速度を1/30秒にするには、10段シャッター速度を早くする必要があります。ISO感度3200を10段上げるとどうなるか?3200に2を10回掛ける(2の10乗)という計算になるわけですが、計算すると3276800となります。
D5は最高3280000相当までISO感度を上げて撮ることができたので、D5であればぎりぎり1/30秒で撮ることができると分かりました。
まとめ
ISO感度328万っていまいちピンとこなかったんですけど、やっぱりとてつもない高感度ですね。カタログスペックで328万まで使えますよってことなので、実際写真を撮ってみるとノイズがのって汚い写真になってしまう可能性ももちろんあります。でも手持ちで天の川が撮れる社会が目の前にきた!とわくわくします。
この写真はシャッター速度10秒、ISO感度1600で撮っているので、ISO感度409600くらいまで上げれば十分手持ちで撮影可能です。
“未知なる光を、補足せよ。”
キャッチコピーに嘘偽りないカメラかなーと思います。実売67万円は僕にとっては未知なる価格なので購入することはないかもしれませんが、一度は触ってみたいです。よく遊んでもらっている知り合いさんにはキャノラーさんが多いんですが、D5の発表を機にニコン党に入党しないかしらん。