もうそろそろ迫ってきましたよ。あの時期が!
何がって?「快慶展」ですよ。「快慶展」。今年は仏像展覧会の当たり年?ともいえるような年で、場所は違いますが春に「快慶展」、秋に「運慶展」が開かれれるんです。
快慶展と運慶展
以前トーハクでもらったパンフレットです。両A面シングルと言わんばかりに表裏になった豪華なパンフレット。
快慶は金色に輝く阿弥陀如来立像(京都遣迎院)。運慶は無著菩薩立像(奈良興福寺)がポスターに使われていますね。共に書籍や写真では見たことあるものの、実物をまだ拝んだことがないので是非見たい!
東京(運慶展)は行けそうだけど奈良(快慶展)は行けるかなー。悩ましいところです。そんな僕が是非行きたい快慶展・運慶展をちょっとご紹介。
快慶展の場所、開催期間など
快慶|日本人を魅了した仏のかたち
わが国を代表する仏師のひとりであり、鎌倉彫刻様式の完成に重要な役割を果たした人物として運慶と並び称されてきた快慶。その偉大な足跡をたどるとともに、いまだ多くの謎につつまれた実像に迫ります。
快慶展の期間
平成29年4月8日(土曜日)~6月4日(日曜日)
快慶展の開催場所
奈良県奈良市の一等地。周りを東大寺、春日大社、興福寺に囲まれた素晴らしい場所にあります。近鉄奈良駅からも徒歩10分ちょっとですね。少し北へ行くと聖武天皇陵なんかもあるんですね。
奈良公園をはじめとして、東大寺・春日大社は子どもの頃に行ったことがあるんだけど、博物館があったなんて全然気づきませんでした。阿修羅像で有名な興福寺が近くにあるのも最近知りましたし…
是非行きたいけど、日帰りはもったいない!博物館で一日潰れそうなので、もう一日で寺社仏閣巡りなんぞ決め込みたいところですが、さすがにそんなに遊んでられないかな?
快慶展の展示概要
国宝や重要文化財のオンパレードです。ご当地の奈良の仏像はもちろんのこと、広島や三重、など各地方の仏像が多く展示されます。なんと遠いところからはアメリカ(ボストン美術館・キンベル美術館)からもやってくるのです!
その数は今わかっているだけでも88件。国宝7件、重要文化財50件という件数から考えても、よだれが出てしまいますね。
詳しくは、主催の一つである読売テレビのホームページに特設サイトが設けられています。
URL:特別展 「快慶 日本人を魅了した仏のかたち」公式サイト
写真が盛りだくさんなので、行けそうもなくてもサイトを見ているだけで行った気分になれますよ。っていうかサイト見ちゃうと、行かずにはいられるか!という気分になります。
運慶展の場所、開催期間など
興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」
日本で最も著名な仏師・運慶。卓越した造形力で生きているかのような現実感に富んだ仏像を生み出し、輝かしい彫刻の時代をリードしました。本展は、運慶とゆかりの深い興福寺をはじめ各地から名品を集めて、その生涯の事績を通覧します。さらに運慶の父・康慶、実子・湛慶、康弁ら親子3代の作品を揃え、運慶の作風の樹立から次代の継承までをたどります
運慶展の開催期間
2017年9月26日(火) ~ 2017年11月26日(日)
運慶展の開催場所
運慶展は東京国立博物館です。上野駅から徒歩10分ちょっとですね。上野動物園や西郷どんで有名な公園口から歩いていけます。
御朱印好きには上野東照宮や花園稲荷、五條神社などがあるので、御朱印もらいつつトーハクに行くのもおススメです。
去年は特別展「禅―心をかたちに―」「平安の秘仏―滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」 の2つの展示を見ました。櫟野寺(らくやじ)の十一面観音菩薩は迫力がある美しさで、すごく良かったです。
運慶展の展示概要
トーハクのホームページにはまだ詳細ページが開設されていないので、詳しくは分かりませんが、「興福寺中金堂再建記念特別展」です。
パンフレットの表紙に使われているのは興福寺の北円堂に安置されている、木造無著・世親立像(もくぞうむちゃく・せしんりゅうぞう)。の、むちゃく(無著)さんですね。
仏師っていうと一人で黙々と仏像を彫ってそうな気がしますが、チームで彫っているいるので、実際に木造無著・世親立像を彫ったのは運慶ではありません。運慶の指導のもとに無著像は運助、世親像は運賀が担当しています。
運慶は何ていうんでしょう。手柄だけは全部持って行く指導教官のような位置付けでしょうか(違う)
展示がどうなるのかはまだ分かりませんが、運慶初期の代表作、円成寺の大日如来坐像も展示されるようです。運慶の作品ばかりではなく、父親康慶、実子(長男)湛慶の親子3代の作品が楽しめるようです。
湛慶といえば、正月に三十三間堂で湛慶作の千手観音菩薩像を見てきたばかりです。
参考:新年は京都へ正月参拝。平等院鳳凰堂と三十三間堂へ家族旅行。
運慶と快慶の関係は?
仏像に興味を持ちだしてから知ったんですが、運慶と快慶って兄弟でも親戚でも何でもないって知ってました?(諸説あり。ってことなのかも知れないので断言はできませんが。)
運慶と快慶でいえば、運慶の血筋の方がずっとエリート。だから運慶は東京で展示ができて、快慶は奈良なのか?と邪推してしまいますが、そこは全く関係ないでしょう。
運慶の祖先には平安仏師としてもっとも有名な定朝がいます。寄木造を完成させたのは定朝ですし、平等院鳳凰堂の中にいる仏像、阿弥陀如来坐像を彫った人といえば一番分かりやすいでしょうか。
運慶の息子は湛慶といって、これまた有名人。さきほど書いたとおり、三十三間堂の千手観音像(真ん中にいるでっかい仏像)を彫ったのも湛慶(たんけい)です。
快慶は運慶や湛慶と同じ慶派の一員ではありますが、血縁はないとされています。運慶と同じ時期に活躍し、東大寺南大門の金剛力士像などを運慶とともに作ったチームの一人といった感じでしょうか。僧としての位も運慶の方が高かったようですし、運慶はエリートというイメージがあります。
現在の国宝指定の数を調べてみても快慶は4件に対し、運慶は6件と運慶の方が多いんですね。
こんな風に、運慶と快慶の違いを意識して特別展を見に行くと、2人の違いを明確にして身に行けるかもしれませんね。
まとめ
まずは奈良に行ける時間作り!この2つの特別展は、両方とも欠かさず見たいと思っています。
運慶と快慶時代のことをもう少しくだけた感じで触れたければ「ぶっしのぶっしん(鎌倉半分仏師録)」というマンガもおすすめです。
仏像が話し出したり、JOJOのスタンドのように仏像で戦ったりするというなかなかぶっとんだ設定ですが、運慶とその子供たち(湛慶など)が活躍します。